果物
食欲の秋。
秋は果物も美味しい季節です。
アーユルヴェーダでは、果物をどのようにとらえているのでしょうか。
基本的に果物は旬のものを食べることが推奨されています。
その季節にあったその土地の果物は、その土地で暮らす人々にとっても利益となるような作用を持っていることが多いからです。
その季節ごとの旬なものをおいしくいただく。
難しく考えるのではなく、まずはこれを基本に楽しく食べていただけるといいですね。
でも今は、季節に関わらず様々な種類の果物を食べることが出来ます。
遠い外国からきた輸入の果物も沢山あります。
ドライフツーツやお菓子などの加工品や、缶詰の果物もあります。
そういったもを食べる時、選ぶコツはどこにあるのでしょうか。
まず、最近の果物は甘いものがほとんどですので「甘さ」に注目してみてください。
・未熟で、まだあまり甘くない
・とても甘い
・甘いよりも、酸っぱい
・熟しすぎていて甘さが過ぎる
など。
甘味(果糖)はエネルギー源ですから、適切に摂ればとても良いものです。
しかし摂りすぎてしまうとカロリーオーバーとなり、カパを増悪させます。
カパの増悪は身体のだるさや眠気を増し、消化力を鈍らせます。
甘い果物を食べる時には、摂取量に気を付けましょう。
甘くて大粒のぶどうなら、一日に10粒程度
甘味の強い桃なら、一食は桃の4分の1程度が目安でしょうか。
個人の消化力に合った「適量」を見つけてください。
食べる時間帯にも少し気を付けましょう。
消化力の高い朝~日中に取れば体と頭のパワーになりますが、活動量が減り消化力の鈍ってくる夜に多量に摂ると良質な睡眠の妨げとなり、疲れの取れにくい体になってしまいます。
果物には甘味を中和するためのスパイスパウダーをふりかけて食べるのもおすすめです。
特に南国の果物や水分の多い果物にはスパイスがよく合います。
カルダモンパウダーやジンジャーパウダー、シナモンパウダーが使いやすいです。
酸っぱい果物、例えばレモン・ライムなどは食前に取っていただくのがおすすめです。
食前にぎゅっと絞ったレモン水を軽く一杯飲んでおくと、胃もたれの予防になります。
酸味の強い果物は消化力を高めたり、食欲増進に役立ちます。
皮ごと食べたほうが栄養価が上がる果物も多くありますね。
リンゴ、ブドウ、桃など、皮も食べられる種類のものはぜひ一緒に食べるようにしてください。
みかんなどについている「白い筋」もやはり一緒に食べてもらいたい。
果物って本当に素晴らしくて、様々な栄養素が上手に組み合わさっています。
食べられるのであれば果肉だけではなくて種・皮などの部分までしっかりと食べることが大事です。
皮ごとミキサーにかけたり、皮ごとすり下ろしたりするのも一つの手です。
胃腸の弱い方は、果物に火を通して食べるのも良いです。
焼きリンゴや焼きバナナはスパイスととても相性がよいので、ぜひお試しを!
果物だけの甘み・水分で作った「果物煮」なんかは病中病後にも召し上がれます。
火を通すというひと手間によって消化しやすくなりますので、体調と相談して食べ方を考えることも大切です。
おいしく適量を楽しく食べる。
これはどんなものを食するときにも共通で言えることです。
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