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​アーユルヴェーダの歴史①

​アーユルヴェーダが発達した時期はヴェーダ時代だといわれています。

(ヴェーダ時代とは紀元前1500年前~紀元前500年であり、前期・後期に分けられています。)

 

古代インド、ガンジス川流域に住んでいたアーリア人たちは最古の聖典(ヴェーダ)を有していました。

聖典(ヴェーダ)はリグ、サーマ、ヤジュル、アタルヴァの4集から成っています。

ヴェーダはもともと「知識」という意味であり、ありとあらゆる知識がこの中におさめられていると考えられています。今でもバラモン教・ヒンドゥー教の聖典として伝わる書物です。

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アーユルヴェーダは特にこの中の「アタルヴァヴェーダ」が元となっています。

アタルヴァヴェーダは古代の医学書にあたり、世界最古の医学書とも言われています。

古代ギリシャや古代中国の医学にも大きな影響を与えました。

このアタルヴァヴェーダには、呪術的な部分も非常に多く含まれています。

というのも古代インドにおいては、病気の多くが「悪霊」によるものと考えられていたため、その悪霊を払うこのも医学の一部とされていたからです。またそもそもヴェーダは宗教書であるので、そういったものと切り離せない関係にあります。

現代的にみると全く根拠のない記述も多いですが、魂やエネルギーという存在を身近に感じていた古代だからこその考え方・治療法とも言え、それが大いに役に立った時代もあったのでしょう。(という私自身もこういった分野のお話は嫌いではなく、むしろ好きです。)

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実際に現代においてもこの考え方はアーユルヴェーダの中に生きています。

Bhutavidyaという、論理的・合理的ではない治療方法があります。現代の分野でいうと精神科学にあたるでしょうか。

現代的なさまざまな治療方法を以てしても治せない病気は「目に見えない生き物(悪いエネルギー、悪霊)」が原因であると考え、占星術・悪魔祓い・マントラやマンダラ・宝石・儀式などを使って患者を治療するという方法です。

 

非合理・非科学的なアプローチだと思われがちですが、真剣に悩む患者にとっては「医者が自分のためにこういった治療をしてくれた」という事実が、実際に病気を治すことがあるのです。

心理的なものかもしれませんが、まだ科学的に明らかになっていない何かが治療の中に存在しているのかもしれません。アーユルヴェーダは懐が広く奥深いといわれるのは、こんなところにも理由があるのでしょう。

アーユルヴェーダは抽象的な概念で体や病気のメカニズムを説明しているので、西洋医学からみると「なんか怪しい…」とされがちです。しかし言っている事の中身は西洋医学と何ら変わりないことが多く、それどころか、特に内科学に関してはその抽象的な説明のほうが患者の状態をよりよく表現、理解できることも多々あります。

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アーリア人はもともと自然崇拝・多神教の民族でした。

そのためヴェーダでは天・火・地・風・水などを神とあがめたうえで、祭祀の行い方や呪術、占星術、建築や数学など他分野にわたる記載がされています。

アーユルヴェーダは​宇宙や自然と人との関わり方を多く説いていますが、それはヴェーダの教えがその根底に流れているからなのです。

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