「手放す」とは
「手放す」という言葉
よく、耳にしますよね。
手放して、自由になる
執着を捨てる
哲学的な話になると
こういったことがよく出てきますが、
「手放す」とは実際のところ
どういう状態のことなのでしょうか?
そして「手放す」ことは、
そんなにも良いことなのでしょうか?
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手放した状態とは
「それについて、特に感情が動かない」状態。
「あぁ、そんなこともあったな~」
程度にしか思わなくなっていれば、
「手放した」と言えますね。
逆に何か執着している物事や考え方に対して
モヤモヤしたり
嫌な気分になったり
悲しくなったり、
どうしても負けたくない!
どうしても手に入れたい!
と感じるなど、
なにかしら自分の中に
感情が湧き上がってくる状態にある時は
まだまだ「手放せていない」と言えます。
熱中していたおもちゃに
ある日突然見向きもしなくなった子供は
まさに「手放した」状態。
過去の辛い出来事をふと思い出し
「あー、そういえばそんなこともあった」と
感情を入れずに
ただ振り返れるようになっていた時も
「手放した」と言えます。
何かを手放そう、手放そうと思っている時は
まさに執着の真っ最中。
手放したいものからいったん距離を置いて
何もせず放置しておくと
「いつの間にか手放せていた」りします。
捨てたいけど捨てられないものは
「捨てようか、どうしようか・・・」
とものを目にしながら思い悩むよりも、
いったん箱に入れて
押し入れにただしまっておく。
で、数か月後には存在を忘れていたりなんかして(笑)
手放すには、よい手段です。
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何か「手放したい想いや物」を持っている人は
いったんそれを自分のそばから
遠ざけてみてください。
具体的には
・「手放したい想い」→とりあえず他のことに熱中して、それを忘れる時間をつくる
・「手放したいもの」→とりあえず目に見えない場所にしまう
遠ざけられない人がいる場合には、
・思い切って自分がそこから離れる
・その人のことは完全に割り切り、とにかく感情を入れない
(超ビジネスライクにする)
という行動が有効です。
自分の感情を問題から切り離すことで、
手放しへの「準備」が始まります。
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「手放せていない状態」というのも
実は人生にとって欠かせないものです。
手放せない感情がある時にこそ、
人は成長するとも言えます。
手放すことのできないさまざまなしがらみは
この世の醍醐味といっても過言ではありません。
手放せない執着・欲望・感情を
まるごと味わいつくす人生も素晴らしいのです。
大いに悩み苦しみ傷つき喜び、
対抗心を燃やして戦う。
そんな人のほうが人間として深く
面白かったりもします。
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「手放す」も「手放さない」も
どちらを選んでも
間違いなんてものはありません。
どちらを選ぶかよりも、
この世を最後まで生き抜くことのほうが
はるかに大切です。